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2007年2月 3日 (土)

記述構文80(1回目)

 今日久々に別の校舎ではあるが、通っていた資格専門学校の、その名も「裏技の王国シリーズ」と銘打った一種のオプション講座の一つを受講しに京都に行ってきた。もちろんお世話になっている講師の講義だからである。
 内容はタイトルのごとく、記述構文80(このタイトルの前には講師の実名が入るのだが、諸事情によりカットさせていただく)2006年度行政書士試験より導入された40文字記述対策を行う講座ということで、今日と来週の2回にわたって2006年度試験に出題された記述ジャンル行政法と民法について、講師久々の重要論点が記載された1問1答方式のレジュメおよび補助教材を使って、記述対策をいかなる方法で行えばいいのかを主眼とした講座である。
 まあ、私を含めて一度でも講師の講義を聴いたことのある方々は、耳がたこになるほどご教示いただいている話であるのだが、「記述対策は択一対策の延長線上」という大前提の前に講義をされているうえに、間違っても記述で満点を目指そうなどという博打打ちの講座ではない。法令択一でそれなりの点数を獲得した後に、記述をいかに無難に乗り切るかという戦略をお話しされる講座である。
 まあ、私は法令択一で足きりに引っかかり、記述を採点していただけなかった情けない者なので、大きなことがいえないのだが、2006年行政書士試験の記述において表面上簡単であるといわれている問題は、実は結構奥の深い問題であったと冒頭で講師がおっしゃっていた。
 今回は行政法の講義であったので、2006年行政書士試験の問題44について軽くふれてみよう。

 問題44 保健所長がした食品衛生法に基づく飲食店の営業許可について、近隣の飲食店営業者が営業上の利益を害されるとして取消訴訟を提起した場合、裁判所はどのような理由で、どのような判決をすることになるか。40字程度で記述しなさい

 さてこれは一見すると憲法における経済的自由権のうちの営業の自由の問題のように見えるが、論点はそこにはない。これはあくまでも行政事件訴訟法における抗告訴訟について聞いている問題である。まず、そこに気がつかないと話が始まらないと講師はおっしゃった。
 さて、そこで問題となるのは裁判所はどういった判断をしたのかということだが、これには食品衛生法の立法趣旨がわかっていないと正解に持って行くことはできないとおっしゃった。その食品衛生法の立法趣旨に対する裁判所の見解は以下の通りである。
 「食品衛生法は、既存業者の経営の安定のためのものではなく、公益保護を目的とする。」
 つまり、お弁当屋さんが潰れない様にするものではなくて、食中毒を出して国民が痛い目に遭わない様にするためのものであるということである。そこから考えていかないといけないわけである。
 まあ、私がほぼまぐれで正解に近い回答が書けたのは法学検定3級をある程度読みまくっていたからなのだが、結局はこの問題は判例を知らなければ正解が書けないというとんでもない代物であったのである。
 だから、私の書いたつたない回答は

 「単に競業者というだけでは、訴訟における原告適格を有さないので、訴えは却下される。」40字

 今回講義でもこの問題とほぼ同じ内容の問題が出てきたが、レジュメに記載されているキーワードから私が勝手に模範解答を推測すると(実は私は記述の予想解答はどこの予備校の分も見ていません。)

 「本件業者には、法律上保護された利益がなく、原告適格を欠くことを理由に、訴え却下判決を下す。」45字

 下書き用のマスと、答案用紙のマスは45文字あったので基本的には40字程度ということで45文字まではお目こぼし頂けるのであろうから、こんなものであろうか。得点キーワードとしては「法律上保護された利益」「原告適格」「却下判決」の3点だと講師はおっしゃった。なお、却下判決か棄却判決か悩ましいところであるが、問題文中では裁判所が本案審理に入ったとはかかれていないので、おそらく却下判決であろうと推測できないといけないともおっしゃっていた。奥の深い内容である。

追伸:なお今回この問題の入ったレジュメは、ある法科大学院の教授の著書からの出題だと講師はおっしゃっていた。その方はたぶん行政書士試験委員をされておられたのであろうと推測する。
(試験センターのHPに行ってみたのですが、わからなかったので推量で書きました。間違っている場合はご了承ください。)
 

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コメント

こんにちは♪
その記述の問題、まさしく憲法で習った「営業の自由」の問題だと思って、薬局やら小売業やらが頭の中をうごめいて、違憲か?合憲か?ってそればっかり考えて、結局分からず何も書けずでした。
今回のタカくんさんの記事を読んで、なるほど!と納得しました。
これからも、タカくんさんのブログでお勉強させていただきたいので、今後も訪問させてくださいね。
どうぞ、よろしくお願いします。

投稿: ちえのすけ | 2007年2月 4日 (日) 14時59分

 こんばんは、ちえのすけさん。
 最近なかなかブログの方にコメントを残せなくてすみません。その後社労士の受験のご準備ははかどっておられますか? お仕事をしながらの受験は大変だと思いますが、がんばってください。
 たぶん私があの記述を正解に近くに持って行けたのはひとえに法検3級のおかげだと思いますが、(でも採点してもらえませんでしたが・・・)
 先生曰く、あの問題は難問で、できなくても仕方がなかったということでした。かえってあれを解いてしまったことが私を不合格にしたのだと反省しています。
 やはりそんなマニアックなことは気にしないで、基本的なことをきっちり覚えておくことの難しさを今回の試験で学んだような気がします。
 ではでは、こんな私のブログでよければいつでもご訪問くださいね。
 

投稿: タカくん | 2007年2月 4日 (日) 19時27分

こんにちは。
以前僕の書いた回答でだいたい合っていたみたいですね。恥をさらすところでしたw

余談ですが,行政法で「予想される判決とその理由」を40字で書くという問題であれば,かなりの確率で却下判決です。

なぜかというと,認容では「要件事実が全て満たされること」を書かなければならず,40字では困難であるからです。
となると認められない方向の判決ということになりますが,棄却では本案に入ることになり,問題文が長くなる等の不都合が生じるからです。

他方,民法の場合は,一部認容や引換給付判決等もありえるので注意が必要です。
前者は相殺等の問題,後者は同時履行等の問題の場合に登場します。

以上,長文失礼しました。
是非参考にしてください。

投稿: otty | 2007年2月 6日 (火) 16時49分

 ottyさんご無沙汰しております。司法修習の方がご多忙の様子で大変そうですね。お体をこわしませんよう健康にはご留意ください。
 ところで、今回は貴重な裏ワザを教えていただきましてありがとうございます。なるほどそんな考え方もあるのかと感心しました。是非困ったときのひらめきとして、心の片隅に焼き付けておきたいと思います。

投稿: タカくん | 2007年2月 6日 (火) 17時07分

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