« 総合答練3 | トップページ | 総合答練4 »

2006年8月11日 (金)

合格講座(行政法12)2ターン目

 今日は、合格講座行政法の2ターン目の12回目、問題演習も入れてあと2回で昨年の10月から始まった2006年行政書士合格講座が終了する。講義中講師が長かった講義を振り返るように述懐されていたが、本当に長期間であったなあと、私も一瞬思いを馳せた。
(ただし私は昨年度行政書士試験を受験した関係上、講座への参加は2005年11月初旬の民法1回目からであった。)
 さて、今日は配置分合と境界変更(一口で言えば市町村の合併や吸収などのこと)、普通地方公共団体の権能、住民の権利義務、条例及び規則について、地方公共団体の機関についてであった。色々とかなり速いペースで講義が行われたため、盛りだくさんの内容なのだが、今回は時間等の都合により普通地方公共団体の事務(仕事)について話すことにする。
 さて、普通地方公共団体(都道府県と市町村のことであるが)は憲法94条によって自主財政権、自主行政権、自主立法権が付与されている。それを受けて地方自治法2条2項において普通地方公共団体が処理する事務として下記のように規定する

地方自治法 第二条
 2項 普通地方公共団体は、地域における事務及びその他の事務で法律又はこれに基づく政令により処理することとされるものを処理する。

 上記文言の中にある、地域における事務というのは当たり前なのだが、
「その他の事務で法律又はこれに基づく政令により処理することとされるもの」
というのがかなりの曲者なのである。
 実は前回、地方自治の規定はGHQが中央集権的な政府を嫌って地方自治の理念を憲法草案に盛り込んだと書いたが、それを受けて日本政府が作成した原案において中央の官僚は、本音では地方を支配下に置きたかったため、GHQにばれないようにこっそりと上記文言を入れた。そのため、結局は中央政府の支配が及ぶようになってしまっているという体たらくなのである。つまりは地方自治などというものは実際には完全にはありえないというのが現在の日本国である。
 さて、その地方公共団体が行う事務は、自治事務と法定受託事務がある。具体的には地方公共団体がやらなければならない仕事のうち法定受託事務を除いたものが自治事務とされる。ややこしい話だがそういう規定なのだから仕方がない。(地方自治法2条8項)

地方自治法 第二条
 8項  この法律において「自治事務」とは、地方公共団体が処理する事務のうち、法定受託事務以外のものをいう。

 では、法定受託事務とはどういうものなのか。以下のとおり規定がある。

同法 同条
 9項  この法律において「法定受託事務」とは、次に掲げる事務をいう。
  一  法律又はこれに基づく政令により都道府県、市町村又は特別区が処理することとされる事務のうち、国が本来果たすべき役割に係るものであつて、国においてその適正な処理を特に確保する必要があるものとして法律又はこれに基づく政令に特に定めるもの(以下「第一号法定受託事務」という。)
  二  法律又はこれに基づく政令により市町村又は特別区が処理することとされる事務のうち、都道府県が本来果たすべき役割に係るものであつて、都道府県においてその適正な処理を特に確保する必要があるものとして法律又はこれに基づく政令に特に定めるもの(以下「第二号法定受託事務」という。)

 これによると法定受託事務とは、法律や法律に基づく政令によって、地方公共団体にやらせる仕事のことを言い、委託元と委託先によって第一号法定受託事務と第二号法定受託事務に分けられる。
 第一号法定受託事務とは、国が本来することになっている仕事を都道府県や市町村にやらせるものであり、第二号法定受託事務とは、都道府県が本来することになっている仕事を市町村にやらせるものであるとする。
 つまり実際には違うが分かりやすく言えば、小泉首相が兵庫県知事の井戸知事や、神戸市長の矢田市長にやらせるものを第一号法定受託事務といい、井戸知事が矢田市長にやらせるものを第二号法定受託事務というのである。
 であるから、本来は国がやるべき仕事を地方自治体に押し付けているのであるから、当然の事ながら、万が一井戸知事や、矢田市長が第一号法定受託事務をしくじった時は小泉首相は文句を言ったり、指導したり出来るし(実際には小泉首相がそんなことをすることはないが)
井戸知事や、矢田市長が第一号法定受託事務をやらなかったりしたときは、小泉首相はどうしても仕方がない場合は、(当然実際にはそんなことはないが)代わりにすることが出来る。これを称して「代執行」という。
(ここに出てくる地方自治法上の代執行とは、行政代執行法上の代執行とは意味合いが異なる。地方自治法が行政法のカテゴリーに入るにもかかわらず、一般の行政法とは概念を異にする法律だというのはここにあると講師はおっしゃる。)
 そして上記のことからして当然のことなのだが、矢田市長がしくじったりやらなかったりした第二号法定受託事務は当然のことながら、井戸知事が文句を言ったり、代執行することが出来るのである。
追伸:代執行においては地方自治の本旨である団体自治の原則から、かなりの厳しい手続を踏まないと行うことが出来ない。しなかったからといって何でもかんでもすぐ「代執行」というわけには行かないのである。
(これは次回以降最終回までで習うことになる、地方自治法245条以下恐怖の「関与」規定の中で規定される。)

|

« 総合答練3 | トップページ | 総合答練4 »

学問・資格」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/111792/11393277

この記事へのトラックバック一覧です: 合格講座(行政法12)2ターン目:

« 総合答練3 | トップページ | 総合答練4 »