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2006年8月 4日 (金)

合格講座(行政法10)2ターン目

 今日は合格講座行政法2ターン目の10回目、内容は前回から続く国家賠償法1条と次の論点である同法2条の内容についてであった。であるからして、今日は国家賠償法についてお話しよう。
 国家賠償法とは憲法の明文に基づいて成立した法律である。

日本国憲法 第十七条
 何人も、公務員の不法行為により、損害を受けたときは、法律の定めるところにより、国又は公共団体に、その賠償を求めることができる。

 この条文においての「法律の定めるところ」という文言に基づいて国家賠償法が公布・施行されたのである。
 さて、国家賠償法に於いての賠償請求には、1条請求と2条請求がある。

国家賠償法 第一条
 国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。
(以下条文省略)
同法 第二条
 道路、河川その他の公の営造物の設置又は管理に瑕疵があつたために他人に損害を生じたときは、国又は公共団体は、これを賠償する責に任ずる。
(以下条文省略)

 つまり平たく言えば、1条においては「人」によって加えられた違法な行為による損害。2条においては「物」の欠陥によって加えられた損害について国又は公共団体(お上)に対して
「償ってくれよー」
と国民が言えるのである。
 それでは今から具体的な例を挙げてみよう。
 タカくんはある日道を歩いていた。すると前から警察官がやってきて、職務質問をした。タカくんは素直に応じて質問に答えたのだが、その警察官はタカくんの答えが気に食わないといって、いきなりタカくんに対してドロップキックをかましてきた。タカくんはそのせいで転倒し怪我をしてしまった。この際にタカくんが使えるのは国賠法1条である。
(警察官は「人」である。)
 また、別の日にタカくんが道を歩いていると、突然前から警察犬がやってきて虫の居所が悪かったのかがぶりと足に噛み付いてタカくんは大怪我をした。この場合は国賠法2条である。
 ここであれっと思われるかもしれない。国賠法2条の条文では「公の営造物」と規定しているのに、犬が公の営造物とはこれ如何にである。この点については、民法717条(工作物責任)とは異なり、建物等の土地の工作物でないといけないわけではなく、河川や道路はもちろんだが、拳銃や上記の警察犬などの動産も公の営造物であると解されているのである。但し、市役所などの庁舎に備え付けられているコピーが、極端な話だが突然爆発して怪我をした場合は話が別で、このような普通財産
(一般的にどこでも売っているもの。警察犬や警察官の拳銃は一般的にどこにも売っていないので普通財産にはならないとする。)
については国賠法の対象とはならない。
 また、国賠法1条においての「職務を行うについて」とある件に関しては、判例は非番の警察官が制服を着用して、道で呼び止めた市民に対して拳銃を発砲して殺害し、金品を強奪した事件に対して、
職務を行うという主観的意図がなくても、その容姿が職務を遂行するに際しての客観的外形(つまりポリさんの格好をしている)を備えていれば国賠法の対象となるという判断を下している。
(これを称して外形標準説という)

 このように国家賠償法においてはその規定の少なさから(条文数 6条)判例によって対象になるかならないかを判断する事が多い法律なのである。
 その判断基準においては、大体の場合は怪我をした国民は救ってあげるべきものなので、基本的には国民ひいきの適用判断が多いのである。

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コメント

怒涛の問題演習期間に入りますので、しばらくコメント差し控えさせていただきます。あの問題集の回転数があまりにもトップ層の方々とかけ離れてますので、目標○0回です。今日の講師は、明らかに目が違ってました。授業では見せない顔つき特徴で喝を入れられました。チンたらやるなということでしょう。ということで、怒涛の攻撃に入りますが、温かく見守って下さい。

投稿: ヒロりん | 2006年8月 6日 (日) 00時08分

 ヒロりんさん、こんにちは。あの問題集とはあれですね・・
 確かに回転数を上げないと、自分のものにはならないでしょうね。裏を返せば、「なんとなく覚えている」では駄目だという事なのでしょう。
 メールでおっしゃられていたとおり、確かに人それぞれ状況は違います。でも最後の最後まで努力し続けたものは確実に本試験で自分の血や肉(知識)となっていると私は信じていますよ。
 お互いがんばりましょう!

投稿: タカくん | 2006年8月 6日 (日) 11時50分

  昨日のゼミはいつもと違ったんですね。

 また、山で会ったときにでもお話聞かせて

 ください。私は本試験まで「神」に会わない

 つもりです。例の本と過去問を再度やり直しま

 す。あきらめずに前へ・前へ進みましょう!

 Wさんの模試も良問みたいですが、私は

 パスします。この暑さにも勝たないとイケ

 ませんね。答練自信持ってくださいませ。

投稿: 信者 | 2006年8月 6日 (日) 12時43分

こんにちは♪
タカくんさんの日記は、とてもおもしろくて、まだ講義で習っていないところなのにとても分かり易いです。
私も、本試験までにタカくんさんレベルになれるようにがんばりますね!!
これからもよろしくお願いします。

投稿: ちえのすけ | 2006年8月 6日 (日) 17時26分

 信者さん、こんばんは。山の修行、はかどってますか? 夏ばてしないようにしてください。
(修行していらっしゃる「山」の関係上)
 Wゼミの模試は今日の法学検定講座の休憩中に先生が受講生の方に対してそうおっしゃっていました。
 ですが、信者さんを含め先生の「信者」といわれる方々にとって重要な不文律がありますよね。
それは、「あれこれ参考書の数をふやすより、最低限必要な参考書の回転数をふやす」ですよね。
 ですから、先生に代わって信者さんに問います。
 「参考書のどれかでも、問題を見て解説が、そらで言えるようになりましたか?」
 それが先生流だと私は思います。

投稿: タカくん | 2006年8月 7日 (月) 00時28分

 ちえのすけさん、こんばんは。もったいない言葉ありがとうございます。
 私の上にはさらにレベルの高い方がおられます。私などはまだまだ精進中の身ですので、お恥ずかしい限りです。ですからお互いがんばって、合格を目指しましょう!
 追伸:TACさんのテキストと私の通っているLECのテキストは結構構成が似ているのでしょうか?ブログで言及されていた瑕疵担保責任についてはLECのテキストも10回目に出てきますよ。

投稿: タカくん | 2006年8月 7日 (月) 01時14分

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