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2006年7月25日 (火)

合格講座(行政法7)2ターン目

 今日は合格講座行政法2ターン目の7回目、本来問題演習の回であるが、6回目の行政不服審査法の残りをやってしまう関係上、問題演習は後半のラストで重要論点のみ行った。
 ここでちょっと話題がそれるが、どうやら今日はある川縁で行われる有名な花火大会があったようで、学校へ行くために最寄り駅を降り立ったとたん、先々週の日曜日の京都駅前と同じく浴衣を着たおねぇちゃんと、そのわきでへらへらしているおにいちゃんの集団が目に付いた。思わず変身してキャストオフして、クロックアップしたい気分になったのは言うまでもない。まあ、やっかんでも、所詮馬に蹴られるのがオチだから、出来もしないことを言って、一人さびしく溜飲を下げている情けない私である。
 閑話休題。
 さて本題に入るが、ある不利益処分の事前手続である前回の行政手続法とは異なり、今回の行政不服審査法は事後手続である。つまり前回登場したタカくん食堂が聴聞の甲斐もなく営業許可取消処分となったとする。しゃれにならないタカくん食堂の店主タカくんが最後の望みをつなぐのが、行政不服審査法に規定される「不服申立て」である。
 ただ、行政への文句の言い方は、行政そのものに文句を言うやり方を規定する前述の行政不服審査法による不服申し立てのほかに、裁判所に文句を言って行政をシバいてもらう行政事件訴訟法があるのだが、行政事件訴訟法については次回の講義になるので、今回は割愛させていただくことになる。
 話を元に戻すが、一家が路頭に迷うことになる、がけっぷちのタカくんはお上(行政)の誰に文句を言えばいいのか? 文句の言い先は、処分をした本人(処分庁)に行う異議申立てと、それを指揮監督する権限のある上司(上級行政庁(審査庁と称す))に文句を言う(いわゆるチクり(密告)に近い要素がある)審査請求がある。さて、タカくんはどちらにケンカを売ればいいのか? 行政不服審査法はこう規定する。

行政不服審査法 第六条
 行政庁の処分についての異議申立ては、次の場合にすることができる。ただし、第一号又は第二号の場合において、当該処分について審査請求をすることができるときは、法律に特別の定めがある場合を除くほか、することができない。
一  処分庁に上級行政庁がないとき。
二  処分庁が主任の大臣又は宮内庁長官若しくは外局若しくはこれに置かれる庁の長であるとき。
三  前二号に該当しない場合であつて、法律に異議申立てをすることができる旨の定めがあるとき。

 ややこしい話だが、要のところはこの規定に該当するもの以外は、文句を言いたければ審査請求を行いなさいと書いてある。つまりクレームは担当者に言わずに上司に言った方が早いという鉄則と同じなのである。これを称して、
 「審査請求中心主義」
 という。そして審査請求については、以下のように規定される。

同法 第五条
 行政庁の処分についての審査請求は、次の場合にすることができる。
一  処分庁に上級行政庁があるとき。ただし、処分庁が主任の大臣又は宮内庁長官若しくは外局若しくはこれに置かれる庁の長であるときを除く。
二  前号に該当しない場合であつて、法律(条例に基づく処分については、条例を含む。)に審査請求をすることができる旨の定めがあるとき。
2  前項の審査請求は、同項第一号の場合にあつては、法律(条例に基づく処分については、条例を含む。)に特別の定めがある場合を除くほか、処分庁の直近上級行政庁に、同項第二号の場合にあつては、当該法律又は条例に定める行政庁に対してするものとする。

 この条文は審査請求についての規定であるが、行政不服審査法第5条2項によれば、審査請求は処分庁の直属の上司(直近上級行政庁)か、法律で決められたところがあれば、そこに文句を言いなさいとするのである。
 これを逆の意味で解釈すれば、万が一上司がいない場合で、法律に審査請求が出来るという定めのない場合は、同法第6条1項から2項の規定により異議申立てをすることになる。また、同条3項に当てはまる場合は原則として、下記の規定(行政不服審査法20条)により異議申立てを先に行わなければならない。これを称して
 「異議申立て前置主義」
という。

同法第二十条
 審査請求は、当該処分につき異議申立てをすることができるときは、異議申立てについての決定を経た後でなければ、することができない。ただし、次の各号の一に該当するときは、この限りでない。
一  処分庁が、当該処分につき異議申立てをすることができる旨を教示しなかつたとき。
二  当該処分につき異議申立てをした日の翌日から起算して三箇月を経過しても、処分庁が当該異議申立てにつき決定をしないとき。
三  その他異議申立てについての決定を経ないことにつき正当な理由があるとき。

 ただ、異議申立て前置であっても、同条但書きによって、
 1、異議申立てが出来るって教えてくれなかった。
 2、異議申立てをしたのに3ヶ月間放置され、なにも返事してくれなかった。
 3、異議申立てを経なくてもいい理由がある。
 場合には異議申立て前置であっても審査請求が出来るのである。

 ここで、話を始めに戻すが、お上に対するクレームの言い方には二通りあるといった。行政不服審査法によるやり方と行政事件訴訟法によるやり方である。これは原則としてはどちらでケンカするのも自由である。これを
 「自由選択主義」
という。ただし、行政不服審査法による不服申し立て(審査請求)を行ってからでないと、行政事件訴訟法による訴訟を行えない場合がある。これを
 「審査請求前置主義」
という。
 で、最後になるのだが、行政不服審査法では、行政庁の処分(作為)に対して文句を言えるのと同様に、何もしないこと(不作為)に対しても文句を言える。これは、仕事をしない本人(不作為庁)でも直属上司(直近上級行政庁)のどちらでも言える。何もしないだけなら文句の言えるどちらに言っても同じだからである。これを称して、またまた
 「自由選択主義」
と称す。ただし上司がいないなら審査請求は出来ないので、異議申立てのみになってしまうことは言うまでもない。

同法第七条
 行政庁の不作為については、当該不作為に係る処分その他の行為を申請した者は、異議申立て又は当該不作為庁の直近上級行政庁に対する審査請求のいずれかをすることができる。ただし、不作為庁が主任の大臣又は宮内庁長官若しくは外局若しくはこれに置かれる庁の長であるときは、異議申立てのみをすることができる。

 さてさて、「審査請求中心主義」「審査請求前置主義」「異議申立て前置主義」「自由選択主義」×2 どれがどうなのか試験中にピピッとひらめくとことが出来るだろうか?

追伸:明日から毎週水曜日ごとに6回、ついに恐れていた答練である。お世辞にも十分な準備が出来ているとは言いがたい。究極は問題の復習を法検と平行して進むべきなのであろう。がんばらねば!

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