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2006年6月 2日 (金)

合格講座(民法6)2ターン目

 今日は合格講座民法2ターン目の6回目、今回は所有権の残り共有の定義から制限物件に入り、用益物権(地上権、永小作権、地役権、入会権(ゴルフの「にゅうかいけん」ではない。「いりあいけん」と呼ぶ)、担保物権(留置権、先取特権、質権、抵当権)と進み、抵当権の途中までであった。
 用益物権とは物を使用させてもらう権利であり、物に対する絶対的な支配権である所有権は有していないが、その物を使用できる事から、物に対する絶対的支配権が制限される事になる。また担保物権とは、債務の弁済の確保のため、物に対する所有者の処分権を制限している物であり、どちらも所有権の持つ絶対性に何らかの制限が課せられるため制限物件と称するのである。
 で、今回はいろいろある物権の中でも超重要問題である抵当権についての話をしよう。抵当権は行政書士試験の民法を担当している試験委員の先生の中にこの抵当権の話がお好きな方がおられるのと、行政書士の実務上もとても重要なものであるので試験では頻出問題である。
(抵当権の設定登記そのものは司法書士さんの独壇場だが、抵当権の設定契約書の作成代理権限は行政書士にもある。抵当権の設定は債権者(貸し渋りの得意な銀行)と債務者(お金にに困った社長さん)の合意のみで設定可能であるので(これを諾成契約という)行政書士は銀行側に立って社長さんとの契約の代理人となるのである。)
 というわけで結構重要な抵当権であるが、これがまたひたすらややこしい。抵当権の話だけで問題にしてくれればましなのだが、質権とシャッフルされたり、法定地上権との関連等考えるだけでも頭が痛い。
 (ちなみに抵当権は質権とともに約定担保物権という。当事者間の契約で設定するからである。それに対して留置権、先取特権は法律によって一定の事例のもとで当然に設定される担保物権であり、法定担保物権という。)

というわけで、川柳をひとつ

物権変動はどうにかなるが、頭が痛い抵当権

お後がよろしいようで・・・

追伸 以前若葉さんのブログでコメントされていたゴローさんという方が、旅館に宿泊した宿泊客の手荷物に対して宿泊費の不払いの担保として先取特権を行使できる旨が書いてあった。興味を持ったので条文を調べて見たら、なんと葬式費用に対しても先取特権を行使できるのだそうだ。

民法第三百六条
    次に掲げる原因によって生じた債権を有する者は、債務者の総財産について先取特権を有する。
    一  共益の費用
    二  雇用関係
    三  葬式の費用
    四  日用品の供給

 同第三百九条  
    葬式の費用の先取特権は、債務者のためにされた葬式の費用のうち相当な額について存在する。

  2 前項の先取特権は、債務者がその扶養すべき親族のためにした葬式の費用のうち相当な額についても存在する。

 ちなみに葬儀費用は一般の先取特権、宿泊者の手荷物(民法317条)は債務者の動産への先取特権である。

参考
民法第三百十一条
     次に掲げる原因によって生じた債権を有する者は、債務者の特定の動産について先取特権を有する。
    一  不動産の賃貸借
    二  旅館の宿泊
    三  旅客又は荷物の運輸
    四  動産の保存
    五  動産の売買
    六  種苗又は肥料(蚕種又は蚕の飼養に供した桑葉を含む。以下同じ。)の供給
    七  農業の労務
    八  工業の労務

 同第三百十七条
    旅館の宿泊の先取特権は、宿泊客が負担すべき宿泊料及び飲食料に関し、その旅館に在るその宿泊客の手荷物について存在する。

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コメント

 ゴローです。コメントみていただきありがとうございます。講義中、講師の方が我妻先生の本の紹介をしていた時にその話を紹介されました。講義で興味深い話をしてくれると、記憶に定着しますよね。おかげで、先取特権の知識はほぼ定着しました。

投稿: ゴロー | 2006年6月 3日 (土) 23時32分

おはようございます。川柳詠まれてる・・・(^^)!抵当権って大事なのですねー。住宅ローンを組んで家を購入すると、ローンを組んだ銀行から抵当権を付けられてしまうので、結構身近な存在です。民法って本当にいろいろな人が出てきて、人間社会そのままを投影していますよね。

投稿: madam-y | 2006年6月 4日 (日) 07時16分

 ゴローさん、こんばんは。コメントありがとうございました。また懲りずに寄ってくださいね。
 ところで、講義で先生に興味深い話をしていただくと本当によく頭に入りますよね。私の先生はよくタレントや漫画、アニメのキャラクターを引き合いにして、話をされます。
未成年はじゃりン子チエ、物権変動はドラえもん、債権は北島三郎にやしきたかじん、相続はちびまる子ちゃんとともぞうおじいちゃんといったところです。特に私はブログでよく引き合いに出す物権変動の説明に使うドラえもんのキャラクターの引き当て方はずばり当てはまるという感じです。

投稿: タカくん | 2006年6月 4日 (日) 20時25分

 madam-yさん、こんばんは。お恥ずかしい限りですが、ああいった物は川柳といえるのでしょうか?ちょっと心配になっています。
 ところで、先取特権のことなんですけど、私がよく夜中の事務所でブログを更新するある団体の事務局で、財務関係を担当される方にその話をしたら、よくご存知でした。びっくりして話を聞いてみると、その方は銀行にお勤めだったので知っていたとのことでした。
銀行といえば抵当権。やはり実務で使用するのでその辺は勉強するのでしょうね。私も頑張らないといけないなと思いました。

投稿: タカくん | 2006年6月 4日 (日) 20時35分

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