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2006年6月30日 (金)

合格講座(民法14)2ターン目

 今日は合格講座民法2ターン目の14回目、問題演習の回であり、合格講座の民法の生講義は私が講義を受けている分に関しては、泣いても笑っても今回で最後である。しかし前回の講義の投稿で述べたとおり、親族法の親子のところから養子の所までと、相続法のすべてが残っていたのでかなりハイペースで講義が行われ、最後の15分ほどで、復習回の問題演習の重要選択肢と試験対策について御説明頂いた。
 さて、今回の内容なのだが、民法が最後ということで、もう出る幕がないドラえもんのキャラクターを使って、相続のどろどろした話を書こうと思う。
 で、話に入る前に、以下の設定を確認しておこう。
 ドラえもんの主人公野比のび太は、父野比のび助(公式設定。のび三という記述もあり。)、母玉子(公式設定。旧姓「片岡」 のぶ子という記述もあり。)の長男で、未来からドラえもんが来なければ通称ジャイアンこと剛田武の妹である剛田ジャイ子(なんと公式設定では本名である。恐ろしいネーミングセンスではある。)と結婚して子々孫々まで不幸にするところを、ドラえもんが派遣されたことにより、愛称しずかちゃん(ちなみにコミックではしずちゃんである。お笑いコンビ南海キャンディーズの山崎静代ではないことは判っていると思うが。)こと源静香と結婚するように未来を修正され、彼女との間にノビスケ(のび太の父親と同じ名前だ、もう少し考えたらどうかとは思う。)と命名された男児を設けている。なお、ドラえもんを現代に派遣したのはのび太の孫の孫に当るセワシという少年である。
(ちなみに、この内容に直接関係ない話だが、親族法である民法725条によると、親族の範囲は6親等以内の血族、配偶者、3親等以内の姻族であるので、のび太の孫の孫であるセワシは、のび太から見れば親族である。)
 では、上記の内容を前提として話を進める。
 いろいろある相続法の中でよく話に上るのは、法定相続分とその計算であろう。しかしながら、法定相続分としかめつらい名が付いていても、実は相続対象になった相続人の相続分はまず被相続人の意志によって決められる。つまり平たく言えば遺言だ。そして、法定相続分はこの指定がない場合に初めて登場するしょぼいものなのである。さてここでのび太君達に登場してもらう。
 つまりのび太君は、しずかちゃんと息子ノビスケと生活していたのだが、ある日若くして不治の病にかかったとする。そして手当ての甲斐なく死亡したとする。(この場合ドラえもんの干渉はなかったと仮定する)
さて、葬儀の後、実はのび太は遺言を残しており、その遺言内容で隠していたのだが実は内縁の妻だった剛田ジャイ子に総資産1000万円を贈与するという遺言を残していたとする。それは彼がその遺言作成後に生存している間に、別の遺言で撤回しなければ、遺言の様式を満たしていれば有効である。
(ジャイ子がジャイアンに泣きついて無理やり内縁関係を結ばせたかどうかは、この場合考えないことにする。)
これでは法定相続人である野比静香(旧姓 源)とのび太との間の子供で彼の嫡出子と推定されるノビスケは1円のお金ももらうことは出来ない。これでは、ひょっとしたらドラえもんの干渉がなければ、秀才の出来杉君と結婚してより幸せになっていたかもしれないのにしずかちゃんがかわいそうである。そこで、しずかちゃんには以下の権利が請求することにより与えられる。
 遺留分減殺請求権(民法1031条)
 これは先の条文1028条の遺留分に関する規定を根拠にしたものである。

民法 第千二十八条  兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める割合に相当する額を受ける。
 一  直系尊属のみが相続人である場合 被相続人の財産の三分の一
 二  前号に掲げる場合以外の場合 被相続人の財産の二分の一

 この遺留分とは、被相続人(この場合ではのび太)の生前処分(生前贈与等である)又は死因処分(遺言等による相続人指定及び指定贈与である)によって奪われることのない相続人に留保された相続財産の一定の割合のことである。民法1028条によれば、のび太が独身である場合は父ののび助と玉子に総資産1000万円のうちの3分の1(それを二人で等分する)、上記設定のようにのび太が結婚しており、妻静香と息子ノビスケがいる場合は同金額の2分の1(勿論二人で等分である)を遺留分として請求できるのである。一見ハートフルな法律だがどうしてどうして、上記内容に基づいて、遺留分減殺後の各々の持分を考えてみると、

 剛田ジャイ子 1000万円→500万円(1000万×0.5=500万が静香とノビスケに行くので)
 野比静香   250万円(500万円をノビスケと2等分 500万円×0.5=250万円)
 野比ノビスケ 250万円(母静香と同じ理由により)

 なんと、まだジャイ子の持分の方が多いのだ。つまりなんだかんだといっても民法は私的自治の原則。本人が遺言を残せばそれが一番最強なのだということがこの内容で判るであろう。ちなみに静香やノビスケがいない場合、ジャイ子の取り分は666万6667円、のび太の両親のび助と玉子は各々166万6666円50銭である。

追伸:ちなみにしずかちゃんはのび太の人柄に気が付いて彼と結婚する気になったという話であるが、もし上記のようなケースがあれば、はっきり言って本当に出来杉君と結婚した方がましだと思う。それに結婚式前夜、彼女の父親への愛情からのび太との結婚を取りやめるといったしずかちゃんをやさしく諭した幸せ者の彼女の父親も浮かばれまい。

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コメント

 民法も終わり残すは行政法のみですね。

 講師のブログに100超えの方の名前が

 イニシャルで出ていますね。おそらく京都

 の方だと思います。僕は100には届いて

 いませんが、後に続いていきます。

 SさんもMさんも京都の方なんだろ

 うか。(少し?)差を空けられているので

 気合を入れ直して来週の4回目に突入して

 いきます。それにしても悔しいですね。

 これから復讐(復習)して寝ます。

投稿: 信者 | 2006年7月 1日 (土) 01時24分

信者さん100超えの人達に少しの差ということは、90点超えだと思いますが、信者さんは、ゼミにも参加されてましたし自習室での勉強時間もすごいので当然の結果だと思います。私も今回100にはわずかのところで手が届きませんでした。言い訳になりますが、38度の熱がありしょうもないミスが多発してましたので、次回は、体調万全で、100超え行きたいです。

投稿: ヒロりん | 2006年7月 1日 (土) 03時23分

 信者さん、ヒロりんさんおはようございます。先ほど先生のブログを見ました。追いつきましょう。お二人には可能だと思います。私は未だ未知数ですから、自分のやれる範囲やって、納得して答錬に望みたいと思います。私の最低限の目標は足切りクリアかつ84点突破です。
(出来たら、先生に簡単だといわれた答連1回目は100点を取りたいのが本音ですが・・・)

投稿: タカくん | 2006年7月 1日 (土) 06時48分

ドラキャラが出てくるのはこれで最後なんですね。。。うーん 切ない(涙)
のびたがジャイコと不倫・・・許せませんねー

でも、こーやって漫画のキャラで法律教えてくれると、あたしはスイスイ頭の中に入ってくるんですがねー。

勉強 がんばりましょう!!

投稿: yumiyumi118 | 2006年7月 1日 (土) 14時10分

こんにちは♪
私は、ジャイ子はあだ名だっていうのを何かで見ましたよ。
確か、藤子F不二雄さんが、ジャイ子の本名を明かすと同じ名前の子がいじめられるかも知れない、と考えて本名を明かさなかったとか。
でも、公式設定ではジャイ子は本名なんですね。
じゃあ、タカくんさんの説のほうが有力ですねぇ。って全然勉強に関係ない話でゴメンナサーイ!!

投稿: ちえのすけ | 2006年7月 1日 (土) 18時19分

 yumiyumi118さん、こんばんは。残念ですが、今回でドラえもんネタは終わりです。次回行政法からはお上と国民君が登場することになるでしょう(多分行政手続、行政救済の項目で)あまりインパクトがなくファジーな話が続くのが行政法ですのでよろしくお付き合いのほどお願いします。

投稿: タカくん | 2006年7月 1日 (土) 20時21分

 ちえのすけさん、すみませんでした。ジャイ子の件は、確認したところWikipedeiaでちえのすけさんのおっしゃるとおりの内容でした。実は私の書いた内容の元ネタは謎本なんですけど、本名がジャイ子なのが公式設定らしいと書いてあったので、そのまま書いたのです。本当のところはどうなのかは謎ですね。原作者の藤子・F・不二雄先生はもういらっしゃいませんし。

投稿: タカくん | 2006年7月 1日 (土) 20時54分

  日曜日ゼミはいかがでしたか?

  人数は30席満席でしたか?

  梅田校・京都校どんな感じですか?

  僕はこのまま突き進んで行きます!

  100超えるぞーー!

投稿: 信者 | 2006年7月 3日 (月) 01時00分

 信者さん、おはようございます。
 日曜日も30人越えだったですよー。ただ、先生の話からすると土曜日の方が多かったそうですね。
 京都校は自習しようと思って行くには行きましたが、社労士の模試と司法書士の解答速報会の関係で、ただでさえ少ない自習室が1つしかなく、当然の如く人口密度も高かったので、仕方なしにこの次の投稿に書いたとおり京都駅ビル構内の大階段で勉強しましたよ。
追伸:突き進むのもいいですが、周りの人をはねとばさないでくださいね(笑)

投稿: タカくん | 2006年7月 3日 (月) 09時10分

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