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2006年1月27日 (金)

合格講座(行政法5)

 さて、今日は合格講座行政法の5回目である。今日は行政強制の残りと行政機関情報公開法、行政機関個人情報保護法の行政機関の情報管理、そして行政手続法と目白押しであるが、本来メインでお話しすべき行政手続法がさわりの部分しか入らなかったので、今日は前回と同じく行政強制のうちの即時強制についての話をしたい。
 前回、行政強制をRPGの様な剣と呪文にたとえて説明すると同時に、攻撃の仕方について予告して行う攻撃と予告なしに行う攻撃があると言うことを述べ、予告して行う攻撃の一例として代執行を挙げた。
 今回話に挙げる即時強制は、予告なしに行う攻撃である。
 前回同様攻撃といっては語弊があるのだが、たとえば、近所の家が火事になっていたとしよう。その燃えている家の中には逃げ遅れたおばあちゃんがいる。そんな状況を思い浮かべて欲しい。さて、当然の如く消防車が来て消火活動にはいるわけだが、もし消防士がスピーカー等で燃えさかる家の中にいるおばあちゃんにこんな事を言っていたらどうなるだろう。
 「おばあちゃん。あなたは今生命の危険にさらされています。行政機関である消防署に勤める当職としては市民の生命の安全を守る身でありますので、見過ごすわけにはいきません。ですから、今から3分以内に退去してください。3分以内にその場所から退去しない場合には当職が家屋内に突入し、強制的に保護します。」
 当然のことながらおばあちゃんは焼死である。
 消防士は、自己の生命に危険が及ばない範囲で、そのような御託を並べることなく即座に家屋に突入し、おばあちゃんを救出する。これがハートフルなケースでの即時強制だ。また、少し恥ずかしい場合では、泥酔者を警察官が強制的に保護するのも即時強制の一種である。泥酔者に、
 「もしもしご主人(警察官は成人男子(中年ぐらい)の人は全てご主人という)、このようなところで寝ておられたら生命の危険がありますからすぐに立ち去ってください。」
 などといっても、よっぱらい(泥酔者)は聞くわけがない。有無を言わさず保護である。
 講義上、即時強制とは
 「あらかじめ義務を命じる余裕のない緊急の必要がある場合または事柄の性質上義務を命じる方法では目的を達しがたい場合に、直接国民の身体または財産に実力を加え、行政上必要な状態を実現すること」
 とある。おばあちゃんのケースが義務を命じる余裕のない場合であり、よっぱらいのケースは義務を命じる方法では目的を達成しがたい場合に当たると言うことである。
 (説明これで合ってるかなぁ・・・ ちょっと心配。)
 即時強制は強力な力故に、ともすれば人権侵害の危険性をはらんでいる。それ故に代執行よりももっと確かにはっきりと法律の根拠が必要なことは言うまでもない。正義のために力をふるうのはあいてが悪人であるからである。悪人無きときにふるうのは只の暴力である。即時強制も、そのように根拠をはっきりともってふるう強大な行政のパワーである。

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